恋姫†無双 双の龍と金髪少女 第1話 迷い込んだ幼き一人の龍
この記事は長文、そしてグロテスクな表現?が多々含まれます。それらが苦手の方はすぐにバックした方がいいかと思いますです。はい。
気がつくと自分は木々が生い茂る地面に横たわっていた。
どこかを痛めたわけではなく、体を起こした??は、状況の把握につとめる。
たしか・・・自分は中学の卒業式の前に一眠りにしたくて昼寝してた筈・・・
ここは・・・・何処?携帯は・・・・圏外・・・・
「はぁ・・・・まぁ怪我してないだけよかっ・・・んあれ?」
ふと、足元で何かが光を反射しているのに気づいた。
「これって・・・確か・・・ガンダムとかに出てたグフカスタムのガトリングシールド・・・・?随分小さくなってるけど・・・。」
彼が身をかがめて足元に落ちている物を拾う。
それはかつて見たのノリス・パッカードの愛機グフカスタムの持つ銃器であり、彼にとって憧れの銃器だった。
持ち上げていると、独特な重みが手に伝わる。
彼は少し胸を高ぶらせながらそれに手をかけ、少しトリガーを引いてみた。
バババっとした音が耳を震わす。
朝日を反射して、キラキラと蒼白の盾が煌いていた。
「初めて見たけど知らない場所なら別に使っても・・・いいよね?無いよりはいいしさ?
さて、どうするかな? この様子からして何か非常に面倒な事に巻き込まれたことは違いないんだけど……とりあえず近くに人がいないかどうか確認を”キャァァァ!!!!”な……なんだ?!」
静寂を切り裂く嬌声に驚いた彼は叫び声が聞こえた方へ走り出す。
鬱蒼とした森を駆ける彼の視線の先、木々の間から僅かに女性が地に倒れ、何かに怯えていた。
その女性の先に何があるのかがここからでは見えない。
「いやぁぁ! 助け…… 」
ザシュ!
何か、肉が断たれたような生生しくイヤな音がした。
その音に不快さを感じながら、森を抜けた彼の前に、一つの集落と血溜まりに沈む女性の前で下卑た笑みを浮かべている男が現れる。
「……うわぁ……ナニ……コレ?」
そこで繰り広げられていたのは、大量の殺○現場だった。
逃げ惑っている人々は古くてボロの服をきている、農民なのだろう。
それが物々しい剣や槍をもった連中達によって、どんどんと殺されていく。
血が宙へ飛び散り、涙が地へ落ちる。
無抵抗に逃げ惑う人達が口々に、”助けて”と叫び、自らの命を省みずせめてわが子だけは逃がそうと奔走している。
だが、怒号を上げながら追い詰める奴らは見下した笑いを浮かべ、その凶器を無慈悲に振り下ろしていった。
今度は親子が、抱き合いながら刺し殺される。
ぅ・・・・ぁ・・・・・
光景だけ見れば冗談のよう
だけれども、目以外の感覚器官全てが、これは現実だと何度も知らせている。
嗅覚も聴覚も……全てが事実だ、現実だと告げていた。
火が放たれたのか家が燃えていく、火を放った奴が自分の服にまで引火したことに気づいて走り回り、消えないと見るや近くにいた子供を切りつけてその血で火を消そうとした。
だが、結局消せずにそいつは焼死した。
子供は激しい痙攣の後、まもなく動かなくなった。
そんな馬鹿げた光景を、誰も反応することなく、ただただ混乱している。
味覚に血の味が情報に追加された。
いつの間にか彼は唇を噛み切っていた。
痛覚、というよりも触覚か。
感情が伴っていなかったので、映画のワンシーンのようだった。
本物の銃器、おもちゃでは無い。
かつて、この銃器は何百の人を撃ったことがある。
撃ったことがあるのなら、想像できないほど活躍したのだろう
そう思えるぐらい残酷に、なお無慈悲に……一人の賊の頭は消し飛んだした。
それが彼にとって初めての殺○であり、クリアな思考からストンと抜け落ちた感情が不思議で仕方がない。
__正直、そこからはよく覚えてないんだ。
後から村人に彼が聞いたのだが、彼はすさまじいほどの速さで村中を駆け巡り、次々と向かってくる盗賊を屠っていったとのことだった。
そして……全てが終わった時。
つまり最後の二人の盗賊を撃ち○した血溜りの上で、真赤な炎の光を背に浴びながら、片腕の銃器をだらりと手に身に付けた彼は
ただ、悲しそうに泣いていたのだそうだ。
目に付く賊を全て○した彼は、その後糸が切れたように倒れたのを村人に救出され、村長の家に寝かせて貰っていた。
目が覚めた彼を村人は大変に歓迎してくれた。
村を救ってくれた英雄だと。
とても何かを食べる気力が出ないので、彼は水を一杯貰うとなんとか飲み干した。
「漢……王朝、ですか?」
顔色の悪い彼が村長の言葉に、更に顔色を青くした。
「はぁ、さようですが……ご存じないので?」
漢王朝?
頭痛がする彼は頭を手で押さえながら、考え込む。
“今は漢王朝です、ハイそうですか”などと言える程、彼の人生経験は豊かではない。
「あの、すいません。
それでは、ここはどの辺りになるんでしょうか?」
「そうですのう……どこと言われると、最近難しくてのぅ。
このあいだ、安慶の州牧様が、この辺りを見捨ててしまったようでしてな。
今この村はどの地域に属しておるのか、わしらにはようわからんのですよ。
大体の場所ですと、そうですなぁ……隣は陳留で、元は安慶の一村である洩唐村でした」
__陳留に……安慶……?
きっと大人が言う二日酔いというのはこういう感じなのだろうか。
焦げ臭い匂いが、人の言葉が、自分の思考が、頭痛に拍車をかけていく。
ガンガンとする頭で、彼は辛うじて言葉を紡いでいく。
「ここは・・・・・・中国ですか?」
「ちゅうごく? なんですかな、それは?」
「い・・・いや、なんでもないです。
ところで昨日の人達は一体なんだったんですか?
見たところ盗賊か、野盗のようでしたが」
彼がそれを聞くと、村人達が俯いて沈痛な面持ちになった。
「はぁ、先ほどもいいましたように、この辺りの州牧様がこの村を棄てているのですよ。
それが盗賊達にも伝わったようでして……最近、頻繁に襲われているのです」
「……そうですか。
要するに国の軍隊がこないのですね?」
恐らく、州牧はこの辺りを統治している役人のことだろうと彼は当たりをつけて会話を進める。
「そうですじゃ、今この村は外から孤立しておる状態なのです」
鎮痛な面持ちで語られる雰囲気に、なんといっていいかわからない間がお互いに流れる。
重苦しい空気の中、まだ気分の悪い彼はどうすればいいか迷うが、その重い空気を破ったのは、外から聞こえる元気な女の子の声だった。
「お~~~い! 皆! 大丈夫~~!?」
バタンっという音とともに、鮮やかなピンクの髪を大きく二つに結んだ、かわいらしい少女が小屋に飛び込んできた。
彼は朦朧とする意識の中で、少女が手にもつ異物に驚く。
__超巨大な鉄・・・球? ・・・・・モーニングスター? いや、鎖だから……フレイル、かな?
笑顔に満ちる少女は、そのあどけない顔にとても似合わない、巨大棘付き鉄球を、鎖で繋いだ武器を持っていた。
「おお! お前さん、無事じゃったか!」
村長の姿を確認した少女は、満面の笑顔で言葉を返す。
「うん! よかったぁ! なんか盗賊の一部が先に村に向かったって聞いて急いで戻ってきたんだ! ……あれ? その人、誰?」
少女は彼に気づいたようで、指を顎にあて、頭を傾げながら質問した。
「おぉ。
このお方は昨日村を襲った奴らを、退治してくれたのじゃ。
わしらはこの方に救われたのじゃよ」
「え?! 兄ちゃんが? ……ありがとう!」
そう言って少女が満面の笑みを浮かべる。
その笑顔は太陽のように眩しくて、彼の暗く沈む気持ちを照らしてくれる。
「昨日野党の本隊がこの村に向かって来ているっていうからさ、ボクと流琉で退治しにいったんだけど、一部の盗賊が回り道して村を襲ってきちゃったんだぁ」
そうか……そりゃあ災難だったね。
「自分は、桂魅斬っていうんだ。
君は?」
魅斬は、この輝く笑顔の少女に興味を持った。
「僕? 僕はね許緒。
性が許、名が緒、字が仲康だよ。
真名が季衣っていうんだ」
__許、緒? ……まさか、あの?
「えっと、許緒ちゃん?」
恐る恐る名を呼ぶ魅斬に、季衣は鉄球を床に落として一刀の膝に乗り上げる。
軽い身体から、日向のいい匂いがする。
暖かさの塊のような少女だ。
「季衣でいいよ! 兄ちゃんいい人そうだし、皆を助けてくれたし」
季衣の明るい声に魅斬も気分が良くなるが、真名という言葉の意味がわからない。
「ん……と。
その性や名、字はなんとなくわかるんだけど、真名ってなんだい?」
「えぇ?! 兄ちゃん真名知らないの?
う~~ん真名っていうのはねえ。
本当の自分の名前って意味で、心を許した人以外の人が呼んじゃいけない名前なんだよ?
勝手に呼んだりするとすっごい侮辱なんだってー、殺されちゃっても文句が言えないんだってさ」
それは随分と優しくない制度だね・・・?だと魅斬は思う。
「へぇ……ようするに大事な名前なんだよね?
いいの? 自分なんかに教えても?」
「うん! いいよ。
兄ちゃんいい人そうだもん。
これでも勘は良いほうなんだ」
季衣は魅斬の膝上で笑顔にぴょこぴょこと喋ってかわいらしい。
「そっか、ありがとなぁ季衣。
……季衣は強いんだね」
「うん! 僕は村で一番……強いからね!」
今の発言にちょっとだけ間があったが、とりあえずスルーしておくことにする。
すると、また外から一人の女の子が慌てて入ってきた。
「季衣! もう、そんなに急いでいかないでよ!」
「えへへ~、ごめーん! 皆のことが心配でさ!」
「それは私もそうだけどぅ……季衣、この人は?」
光に反射しそうなほどに明緑の髪を短く揃え、頭の前を大き目のリボンで結んでいる少女と目が合う。
この子も、手に何十キロもありそうな巨大円盤をもっていた。
人間より大きいネコを、トラではなくネコと呼べるほど度量の大きい方なら、もしかしたら、この巨大円盤をヨーヨーと呼ぶのかもしれない。
ずううぅぅん、という重く鈍い音とともに地に下ろされる武器。
二人ともどれだけ凄まじいまでの怪力なのだろうか?
「流琉、この兄ちゃんが昨日村を守ってくれたんだって」
「え?! そうなの? あの……私は」
緑髪の女の子が身なりを整えて自己紹介をしようとしたところ、いつの間にか膝上で寝転がっている季衣が代弁する。
「典韋っていうんだ、真名は流琉!」
「ちょっと季衣!!?」
いきなり真名まで呼ばれた典韋ちゃんこと、流琉は慌てて季衣を叱りだす。
「いいじゃん別に~、だって村を守ってくれたんだよ? それにいい人そうじゃん」
「そうかもしれないけど!」
言い争いが始まった二人を見ながら、魅斬は思考が停止したかのように固まっていた、あまりに情報が混迷過ぎる。
そして許緒?
・・・・・女の子?
……パラレル・ワールドみたいな所にいるの…………?自分…………
そして、漢王朝……陳留……
三国志が好きな自分はたった一つの仮説が成り立った
正直嘘だと思いたい。
頭の中では、“直ぐにわかる”と言う思考。
ドッキリならばはやくバラして欲しい気分。
そんなふざけたことを考えている脳が半分。
んで、もう半分が昨日の人を撃った感触は、現実だと伝えてくる。
ここは、三国志の世界……
しばらくそんな思考がグルグル回って頭が停止していた魅斬だが、頭を思いっきり振り回して思考を振り払った。
そんな魅斬を見て周りが不思議な目をして空気が止まっているが気にしない。
疑うのはやめよう。
現実なのだ、コレは。
だからこそ、受け入れてこそ、最善の考えがとれるのだ。
「皆さん、自分はは桂 魅斬といいます」
その桂魅斬の笑顔を交えた自己紹介に、季衣と流琉と村人達は心が軽くなったような気がした。
互いに自己紹介を終えた後、魅斬は流琉からも真名の許可をもらい、荒れた村を散策にでた。
__酷いものだった。
村人も盗賊も、皆等しく、死んでいる。
盗賊の中で、綺麗に切断された死体をみると、これは自分がやったんだなということがわかってしまい、背筋に冷たいものが走った。
胃の中がせりあがる感覚を、グッとこらえる。
だが、魅斬の顔色が恐らく余程酷かったのだろう。
隣に一緒についてきてくれた季衣と流琉が、ぎゅっと手を握ってくれた。
2人の手から温かさが伝わり、その優しさが嬉しい。
この、まだ死臭が蔓延する中で、それだけでも救われる気がした。
「……行こう、兄ちゃん」
季衣が困ったような悲しいような顔で、魅斬に話しかけてくる。
__こんな顔をさせている自分が情けなくて仕方がない。
「そうだな。
でも……せめて……」
魅斬は2人の手を離して合掌する。
せめて成仏してほしいと思った。
それが例え殺した人であっても……それは傲慢なのか?わからない。
でも、魅斬が手の平に込めた想いだけは、確かに本物だった。
しばらく黙祷をした後、2人をつれて部屋に戻る。
それから魅斬は村の復興を手伝った。
死体を片付け、怪我人の手当てをしていく。
気分の晴れない魅斬は、ふと気づいたことを聞いてみた。
「これから、皆さんどうするんですか?」
「……どうすれば良いのかのう……州牧様は取り合って貰えぬし、まだ盗賊は残っておるし……村を棄てるしかないのかのぅ……」
村長の言葉に話を聞いていた村人達が反対をするが、皆具体的な案があるわけじゃない。
「盗賊の人数はわかりますか?」
「昨日の襲撃で、桂殿とあの子たちの活躍で大分数を減らしましたので……増えていなければ80人程でしょうか」
__80人か。
数だけならば村人と大差はない。
だが、向こうは若い男達で構成されており、こちらの半分以上は老人と子供と女が占めている。
そして何より村人達は精神的に疲弊していた。
逆に昨日の襲撃を下手に退けたことで、相手は怒り心頭だろう。
次は全開でくるとみて間違いない。
実際、季衣と流琉の実力ならば80人程度なら楽に倒してしまいそうな感じはするのだが、昨日のように敵に分散されると、対処のしようがなくなってしまうのだろう。
__自分はは人を殺したいわけじゃない。
だが、季衣、流琉、お世話になった村人達は助けたい。
盗賊にも言い分があるのはわかる。
この頃の漢王朝はまさに疲弊した国の末期で、おそらく盗賊になる前は食い潰れた、ただの農民達なのだろう。
だが、それでも……見なかったことにしてここを去る気にはなれなかった。
エゴだとしても、偽善だって構わない。
__自分が自分でいたい・・・・と・・・・。
そう決心した魅斬の行動はまさに迅速だった。
とりあえず、片づけをしている村民達を集め、村の修復作業をやめさせる。
そして動ける人達に各々武器を持つように伝えた。
「お……おいら達が戦うんですかい?」
「そう、ここで皆さんが立ち上がらずに戦わなければ、また必ず盗賊が来て村人を皆さんの家族を殺しにきます・・・
それじゃ何もかわらない。
だから皆で戦うんだ」
「でも、こっちは動けるのは、これしかいないだよ?」
魅斬が辺りを見渡すと、動けるのはわずか30人に満たない人数だった。
装備だって、昨日の盗賊の持っていた血で錆びたの武器や、使い古した農具といったところ。
ここで心を折らすわけにはいかないと魅斬は声はできる限りの声を張る。
「大丈夫だ! 必ず……退治してみせます!
ただ、この村がこれからも襲われないようにするには、皆さんの力が必要なんです!
昨日きたばかりの自分なんかを、信じろというのが難しいのはわかります。
だけれど信じて欲しいんです! 自分は……もう昨日の様な光景を二度と見たくないんだ」
しん……と村民達が押し黙った。
それは当然だ、いきなり外からきた人間を信じろなんていわれても困るだろう。
__だが、この村を守るのに他に手はないんだ。
俺や季衣や流琉が殴り倒して解決って方法だけじゃ駄目なんだ。
それじゃあ根本的な解決にならない。
この村は皆が戦う”意思”がある、そう相手に知らしめなければならない。
村人達はまだ黙っている。
誰もが声をあげない中、助け舟は小さな少女達から出された。
「……戦いましょう、私達の村は私達が守るんです」
小さく、だけど力強く流琉が呟く。
「そうだよ! 皆! 官軍なんて僕らのことを守ってなんかくれないんだ!
僕達の村は僕達で守ろうよ!」
必死な季衣が皆を大声で励ます。
すると2人に力を与えられたかのように一人、また一人と村民が声を上げていく。
「そう…だ。
そうだな! ここはオラ達の村だ! オラ達で守るんだ! そうだろ皆の衆!」
場の士気が少しずつ上昇していく。
その光景を見ていた魅斬は、感激に心を奮わせながら季衣と流琉の頭に手を置いた。
「……兄ちゃん?」
「……兄様?」
不思議そうな2人は頭を挙げるが、魅斬は優しく撫でる。
初めは嫌がられるかもと思ったが、2人とも嬉しそうに微笑んでくれた。
__やってやりますとも・・・。
そう心に決めた魅斬だった。
そして、それからの魅斬達の動きはなんとも鮮やかだったというべきものだろう。
周辺の地理に詳しい人たちに、盗賊の居場所を突き止めさせ、正確な人数を把握する。
予想通り80人ほどという報告を受け、現在賊達は昼から酒を飲んでいるとの報告を受けた。
昨日、なんだかんだやられたので奪った酒で自棄酒でも飲んでいるのだろう。
大声で馬鹿騒ぎする連中の声は結構な距離があってもよく聞こえてくる。
「今度あの村を燃やし尽くしてやる!」
調子に乗ってふざけたことをぬかす奴。
「血祭りだ血祭り! 皆ぶっ殺してやるぜ!」
自分達の力を過信している奴。
「なんか小さなかわいい女の子が何人かいたな~グフ。
そいつらはオデが貰っていい?」
身の毛がよだつ声は、本当に気持ちが悪かった。
一緒に聞いていた季衣は、皆は僕が守ると憤慨している。
どうやら自分達が言われていることに、気がついていないらしい。
流琉はというと少し涙目で魅斬を見上げていた。
「兄様~……」
ちょっとだけ凹んだ流琉の頭を、優しくなでてあげる。
「大丈夫だよ。自分がそんなことはさせない」
魅斬の言葉に安心したのか流琉は顔をあげて、はい!ってかわいく笑い返す。
__この子がアノ悪来なんて言われたら自分は泣く。
魅斬達の作戦自体は、とてもシンプルなものだった。
相手の逃走経路はすでに判明している。
そこに村民を5人ずつ分けて配置しておき、村民には無理に前を塞ぐ必要はないと伝えた。
あとは、ただ相手が逃げるのを追いかけて、後ろからただ斬りつけていけばいいとだけ伝えておいた。
そして、深夜の寝静まった頃に作戦を決行する。
魅斬と、季衣と流琉の三人が酒で酔った盗賊達のアジトに殴り込みをかける。
静かに近づいた魅斬は、ぐっすりと眠っている髭を濃く生やした男の胸に銃口を突き付け撃つ。
……
撃ったところから血が溢れ、賊の一人苦しみ・・・後、死んだ。
その死に逝く男が最後にあげた悲鳴で、辺りの賊が魅斬達に気づきだす。
魅斬は辺りを混乱させるように、事前に捕まえて袋に入れておいた蛙や蛇を辺りにばら撒いた。
寝ぼけた頭で突如蛇が頭に乗った賊達は、面白いように慌てふためき始めた。
「な? なんだぁ!?」
状況を見失って慌てている賊を、魅斬は頭を撃って殺す。
だが、魅斬は以前のように自分を見失うことは無かった、むしろ至極冷静といっていい状態だ。
相変わらず体を襲う不快感は強いが、この間よりずっとマシだった。
__これなら、勝てる!
起きだして騒ぎ立てる賊を、魅斬が丁度24人目の頭を吹っ飛ばした頃だった。
ようやく魅斬や流琉達の強さに気づいたのか、相手に後退ムードが漂ってくる。
既に賊の数は半分を軽く割っていた。
__これで後は一押しすれば、崩れるな。
魅斬は辺りをよく見渡して、最後の一押しとなる要素を探す。
そして一刀は退路の出入り口の方に、何人かを付き従えている大男を見つけた。
__恐らくあれが頭領か。
そうして当たりをつけると魅斬は、一直線に大男にむかって駆けた。
「オイ、てめえら! しっかりしやがれ! 相手はただの餓鬼どもじゃねえか!」
「親分! なんかこっちに向かってきやすぜ!」
「なにぃ?」
残り後5メートルで、魅斬と親分と呼ばれた男の視線が交錯する。
「おうおうおう! なんじゃこの餓鬼ゃぁ!!!
俺様の大斧に引き裂かれたくなけ?!! ・・・・ありぃ?」
だが、その大男の言葉は最後まで続かない。
数歩で間合いを詰めきった魅斬は、相手の口上なんぞは無視して相手の首に銃口を向け突き刺した。
「でめぇ……びきょ…う!!」
空気が上手く声帯に伝わらないのか聞き苦しい声をあげる男を、魅斬は突き刺した銃を引き抜き、その勢いで身体中を撃って撃って撃ちまくった。
色んな箇所を撃ったので、勢いよく吹きでた血が周りにいた部下達に雨のように降りかかる。
脆弱な心を折るのには、充分だ。
「頭~~~!!!」
「う、うおわああ!! 逃げろ!!!」
「ヒィィィィイイイイ!!」
場から1人逃げ出せば、後は至極簡単。
もう既に盗賊の統率を取るものは存在しない、恐怖に掻き立てるように盗賊団は潰走を始めた。
「……ふう」
魅斬は一息ついて、大地に横たわっている親分と言われた大男の亡骸を一蹴。
逞しい顔の中、目を見開き絶命していた。
魅斬は敵が敗走して、いなくなったのを確認すると、そっと手を添えて見開いた目を閉じさせる。
「兄ちゃん!」
「兄様!」
声のしたほうを振り向くと、季衣と流琉が二人で走り寄ってきた。
「二人とも無事だったか?」
「うん! 兄ちゃんって凄い強いんだね! ボクびっくりしちゃった!」
「そんなことないよ、二人のほうこそ凄かったじゃないか。」
二人の頭に手を置いて撫でた。
勿論、先ほどまで血塗れだった手は拭いてある。
「あの……兄様? 逃げた奴らはどうしましょう?」
「そうだね、後は村の皆だけでも大丈夫だと思うけど、自分達も追いかけよっか?」
魅斬は笑って二人に言う。
すると二人はかわいらしく笑ってくれて。
「うん!」
「はい!」
彼女たちの笑顔を見ている、ただそれだけでも救われる気がするのだった。
魅斬達は逃げた盗賊団を追ってみると、村人達が皆で盗賊団を追い立てていた。
まともに戦えば賊達もある程度抵抗ができるはずなのに、既に盗賊達は混乱に頭が支配されている。
隙だらけな大振りで村人に斬りつけられても、逃げるだけで反撃はほとんど無かった。
5人1組にしていたので、盗賊団が後退するにつれて段々と村民が増えていく。
これは盗賊側からしたら恐怖以外の何者でもないだろう。
自分達を殺しにやってくる者が、逃げれば逃げるほど増えていくのだ。
こうして連中の心を砕いていく。
この村は手をだすと不味いと認識させる。
恐怖を与えねば、いくらでも奴らは戻ってくるからだ。
だから魅斬達も徹底的にやった。
数人をわざと逃がし、残りは皆……殺してしまった。
村民の顔は疲れていたが、表情は明るい。
自分達で村を守ったという自負に溢れている
恐らく時間が経てば、人を殺したという自責の念に駆られるだろうが、せめて今だけは……
__勝利を噛み締めていたかった。
あれから一年
みのり(18)
全体的に背と髪が伸びてる。
羽もでかくなってる。
力の制御が可能になり暴走する事はなくなった。
一応補足クルガとの娘もいる【以下、み、または稔】
クルガ(21)
背が伸び、片目の傷も治り今では両目を開けることができ、
全体的に優しくなっている。みのりと結んでいるので親としての自覚がでてきているのかもしれない。【以下、ク】
月【ゆい】(4)
みのりとクルガの娘。
みのりの事はかーさま クルガの事はとーさま と言う。
そしてひりゅうの事はおじいさまと言う。【以下、月】
ひりゅう(??)
姿形が変化する事はなく、死ぬ事もない。
昔のままの姿である。そしてみのりとクルガの娘から「おじいさま」と呼ばれるのが苦手・w・;【以下、ひ】
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月「かーさまーはとーさまのどんなところがすきなのー?」
み「んー・・・・全部、かなー」
月「のろけだーー」
み「Σ(・ω・;)」
月「かーさま!かーさま!」
み「んー?」
月「わたしいもーとがほしい!」
み「(このくらいになるとみんなこんな事言うんだなー。)」
み「その話はまた今度ねー。」
月「???(よくわかんないけど)うん!」
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み「うーん・・・今月の光熱費も厳しいなー・・・。」
み「ゆーちゃん、今日の晩御飯何がいい?」
月「ハンバーグ!」
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数分後
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ペタッ、ぺたっ。
べたっ、ベタッ。。
月「う"ー・・・かーさまみたいにうまくできないよぉ・・・」ボロッ・・・
み「大丈夫、あなたは私の娘だものすぐ上手になるわ」^ヮ^
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後日、
月「かーさま!かーさま!」
み「どーしたのー?」
月「この子飼ってもいい?」
ぷち「・・・ジー!・・・」
み「もとの場所に戻してきなさい」(`。´)!
月「´・ω・`」
===================================================================
クルガの浮○気が見つかりました。
稔「ゆーちゃん、ママと二人でおじさんとこお泊りしにいこっか?」
月「とーさまはこないの?」
稔「パパはお留守番してるってさー」^ω^#
===================================================================
おじさん、もとい、ひりゅう宅にて。
稔「ΦヘΦ#」ゴゴゴゴゴゴゴ
ク「」TO」
月「??おじさま、これじゃなにもみえないよ?」
ひ「月ちゃんは見なくていいんだよ、てかおじさん言うな・w・;」
===================================================================
後日。
仲直りしましたとさ。
終わり。
第1回うごメモオリキャラグランプリ
最初はー・・・
HIPPOPなネタで予選を勝ち抜いたのはこの二人ー!
合法ロリ血鬼と年中無休の中学生
【ドラドラ吸血鬼】
ひりゅう&稔「デンデンデンデデンデデンデンデン、デンデンデンデデンデデンデンデン、デッデンデン」
ひ「オリキャラグランプリを考えたのはー、自分だ!!」
稔「龍ちゃん、かっこいいー」
二人「うーん、デンッ」
稔「ドラドラ吸血鬼です」
ひ「御願いします」
稔「龍ちゃん、いつものやったみて!」
ひ「へぇ、聞きたいの自分の武勇伝w」
稔「そ、実話の武勇伝をゆったげて!」
ひ「自分の伝説ベストテン!」
稔「レッツ、ゴー!」
ひ「態度悪すぎ高校面接」
稔「なのに意外と受かってる!」
二人「武勇伝、武勇伝、武勇でんでんででんでん!」
ひ「野球部の友人と本物の(野球)ボールでキャッチボール!」
稔「見事に顔面キャッチ、だけど病院へ!」
二人「武勇伝、武勇伝、武勇でんでんででんでん!」
ひ「お墓参りにカメラ持ち込む」
稔「撮って見ると白い影が映ってる!」
二人「武勇伝、武勇伝、武勇でんでんででんでん!」
ひ「キャッキーン」
稔「すごいよ、龍ちゃん、すごすぎるよ!」
稔「よし、ゲームしよ!」
ひ「ええよ」
稔「あれ!?、停電だ!龍ちゃん、懐中電灯!」
ひ「いらんよ」
稔「光属性スペカ!」
ひ「いらんよ」
稔「たいまつ!」
ひ「いらんよ」
稔「灯りがなくちゃ何も見えないじゃないのよ!」
ひ「じゃかぁしいー!」
稔「いったぁーい!何するのよ!」
ひ「吸血鬼なら、紅い瞳を光らせて自分自身のカリスマが灯りになる!」
稔「かっこいいー!」
ひ「キャッキーン」
ひ「毎日じゃがりこ食べてます」
稔「気付けば空箱が300個到達」
二人「武勇伝、武勇伝、武勇でんでんででんでん!」
ひ「やっと勉強ヤル気がおきた!」
稔「参考書買ってハイ終了~!」
二人「武勇伝、武勇伝、武勇でんでんででんでん!」
ひ「解読不明な暗号作る!」
稔「自分も忘れて迷宮入りに!」
二人「武勇伝、武勇伝、武勇でんでんででんでん!」
二人「意味はないけれど、ムシャクシャしたから〜、公園の砂漠に落とし穴を掘る」
二人「デンデンデデンデン」
二人「家のキッチンで母親が歌う〜、鼻歌微妙にちがあってる」
ひ「カッキーン」
稔「あっちゃん、かっこいい」
二人「デンデンデデンデン、デンデデン」
稔「デンデンデデンデン、デンデデン」
ひ「カンカカンカン、カンケキャッキーン」
ひ「友人の撃った打ち上げ花火を横から蹴って打ち落とす!」
稔「うごモン!」
【888888888(歓声)8888888888】
オリキャラ短話(名前募集中)
(話を組み替えたので紹介)【飛龍=ひりゅう】【稔=みのり】
【バレンタイン】
み「チョコ持ってきたー(・ω・*)」
ひ「ほー?(・w・。)」
ひ「でも、あれでしょwコンビニで買って来たチョコとかでしょw(゜w。)ww」
み「え?(οωο*)・・・。」
┏━━━━┯┯━┓
┃ ☆ || ┃
┃ ☆ || ┃
┃──────┘└──┃
┃──────┐┌──┃
┗━━━━┷┷━┛
み「・・・(οωο*)。」
み「私だってこの日くらいは・・・(οω;)」
ひ「ごめん 本当ごめん」
【寝る前とか特に】
夜 20:00
ひ「(・w・)ウズウズ」
み「なにそわそわしてるのよ?」
ひ「チョコ食べたい!(・w・。)」
み「食べれば?」
ひ「歯磨いたばったなんだよねー」
み「また磨けば?」
ひ「面倒くさい(´w`。)」
み「私は今のあんたが面倒なのよ(ΘωΘ#)」
【ホワイトデー】
ひ「この前のお返し持ってきたよー。」
み「そういう所あんたも律儀よね」
ひ「こういうの初めてで色々迷っちゃったよw(・w・。)」
み「(何をくれるのかな・・・。)(ーωー〃*)」ドキドキ・・・
ひ「ほれ これで好きなもんを買いなやw ⊂(^w^。)」
┏━━━━━━┓
┃10000円 ┃⊂
┗━━━━━━┛
み「返せ! 私のドキドキを返せ!!∩(▼ω▼#)∩うがー!!」
【待つだけ待って待ちぼうけ】
駅前にて。昼 11:40
ひ「・・・(-w-)。」ぽつーん。
ひ「おかしい・・・いつもなら10分前にはいるはずなのに・・・(ーwー;)。」
ミ◇ヒラ~
ひ「何これ(・w・)ヨイショット」
┏ーーーーーーーーー┓
┃今日は寒いので、 ┃
┃家を出たくないです┃
┃ 稔 ┃
┗ーーーーーーーーー┛
ひ「おい(^w^#)ピキピキ・・・」
【犯人「野生のものかと思った」】
今朝 8:00
育ててたみかん レモン ライムが盗まれた。
ひ「・・・(οwο)」ズ~ン・・・。
み「何があったかはしらないけど元気だしなさいよ。」
み「拾い物だけどプレゼントあげるからさ♪(ΘωΘ*)」
ひ「ありがとう・・・(;w;`)ウゥ・・・」
み「今朝近くにできてたのを採ってきたの♪」
ひ「ちょっと待って。その話詳しく。(οwο#´)」
【冗談だったんだけど・・・。】
飛龍「さすがにサンタさんがいないのは知ってるよね?゜w。www」
稔「なっ・・・!馬鹿にしないでよ!」
稔「私だっていないことくらいしってるし!(`ω´*#)」
飛「ごめんwごめんwちょいと馬鹿にしすぎたなw悪いw」
稔「まぁ・・・知ったの今なんだけどね」
ひ「ちょっと待って(。w゜;)」
み「嘘でしょ?嘘だよね?サンタさんいるよね?(´;ω;`*)」
ひ「こっちが嘘って言ってほしいなぁ・・・。(・w・)シタカナイケドサ・・・・」
終わり \(・w・)人(・ω・)/
上位になってからの装備紹介!
どうも、ひりゅうです。
MH4楽しいですね。うごメモは絶賛練習中です。
今現在の自分のHRは48です。
そして、せっかくなので現在使用してる武器防具を紹介しようと思います。
カブラ装備ってまんま鬼嫁っぽくておもしろいです^p^
その1(ほとんどこの装備でやってます)
武器:ブラックフルガード(覚醒属性:麻痺120)[溜斧]
防具:上位カブラS一式(剣士仕様)
護石:闘士の護石[高速設置7]
発動スキル:防御力UP(中)・罠師・砥石使用高速化・体力+20
耐性:[火耐性15][水耐性-25][雷耐性-20][氷耐性0][龍耐性10]
攻撃力612 防御力420
体力120 スタミナ100
この装備はオンラインで他の人をサポートする装備です。攻撃してる時に射程内に味方がいると砲撃はしません。ひたすらランスの様に突くだけです。
その2
武器:福福アイリューシカ(麻痺420)
防具:上位カブラS一式(剣士仕様)
護石:闘士の護石[高速設置]
発動スキル:防御力UP(中)・罠師・砥石使用高速化・体力+20・採取ー1
耐性:[火耐性15][水耐性-25][雷耐性-20][氷耐性0][龍耐性10]
攻撃力299 防御力400
体力120 スタミナ100
これは自分が激怒になった時に使う装備です。普段はまず使いません^p^
その3
武器:シャドウウォーカー(毒340)
防具:フィリアS一式(剣士仕様)
護石:龍の護石[装着速度+4特殊攻撃+4]
発動スキル:力の解放+2・無我の境地・罠師
耐性:[火耐性-20][水耐性20(赤)][雷耐性0][氷耐性15][龍耐性-30]
攻撃力558 防御力461
体力100 スタミナ100
これは完全にネタですww後、私服です^p^
その4
武器:レイトウマグロ(氷350)
防具:三眼のピアス
防具:モンハン部ジャケット
防具:レザーグラブ
防具:アイアンベルト
防具:ブラックレザーレグス
護石:闘士の護石[千里眼+8]
発動スキル:精霊の加護・ハンター生活・探知・高速収集・火事場力+1
耐性:[火耐性8][水耐性1][雷耐性-1][氷耐性3][龍耐性7]
攻撃力480 防御力120
体力100 スタミナ100
↑武器含め全部ネタです^p^
でも、一応ガルルガ教官くらいは倒せるんですよ・・・?
今回はこれで以上です!それではまたいずれ~ノシ!